急性の内科疾患
急性の内科疾患
馴染みのあるかぜは、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、喉の痛み、咳、痰などを主な症状とする上気道(鼻や喉)の急性炎症の総称です。原因微生物の80~90%はウイルスが占めており、粘膜から感染して炎症を起こします。
多くのウイルス感染症は特効薬はなく、治療は対症療法が中心となります。ただ、きちんと治さないと、その後に肺炎などの二次的な感染を引き起こす場合もあります。対症療法で改善がない場合は、細菌感染や、その他の疾患が隠れている可能性もあるため、再度受診することをお願いしています。
新型コロナウイルス感染症は、主に感染者の咳やくしゃみによる飛沫を吸い込むことで感染する感染症です。潜伏期間は1~14日とされ、発症2日前から発症後7~10日間程度、感染を広げる恐れがあります。
主な症状は発熱、乾性咳嗽、頭痛、筋肉痛、倦怠感などですが、無症状のまま経過する場合もあります。以前のように重篤化することは少なくなってきましたが、依然として感染者数は多く、手洗いやうがいなどの感染予防を心がけることが必要です。
他のウイルス疾患と同様に対症療法で改善することがほとんどですが、重症度や基礎疾患の有無によって、抗ウイルス薬での治療を行う必要があります。また、ワクチン接種は、重症化予防効果が高いことが示されています。特にリウマチや膠原病などで免疫抑制剤を使用している患者様はワクチンの定期接種が推奨されています。
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスにより引き起こされる、急激な上気道症状の発症を主体とする感染症です。11月頃から罹患する方が徐々に増え始め、1月頃をピークとして4月過ぎまでに収束に向かうのが通年の傾向です。型によって症状に多少の違いがあり、高熱が出やすいもの、腹部症状が強いものなどさまざまですが、通常は普通の風邪より症状が強いのが特徴です。
インフルエンザは、肺炎や中耳炎などの合併症を起こしやすく、インフルエンザ脳症と呼ばれる重篤な合併症が生じることもあります。そのため、普通の風邪の延長線ではなく、より重篤になりやすい病気として認識することが大切です。発症早期に診断することで、抗ウイルス薬により重症化を防ぐことができますので、早めの受診をお勧めします。
肺炎には細菌性肺炎とウイルス性肺炎、その2つの中間的な性質をもつ非定型肺炎の3つがあります。細菌性肺炎は、肺炎球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌などの細菌が原因で起こり、湿った咳とともに、黄色や緑色を帯びた痰が出ることがあります。
ウイルス性肺炎はインフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、水痘ウイルスなどのウイルスが原因で起こり、一般的なかぜの症状に続き、激しい咳や高熱、倦怠感などの症状が現れる特徴があります。非定型肺炎はマイコプラズマやクラミジアなど、細菌とウイルスの中間的な性質を持つ微生物が原因で起こり、乾いた咳が長く続くことが多いという特徴があります。
症状のわずかな違いからでも、病原微生物を推測することができるため、気になる症状があればお気軽にご相談ください。
尿は左右2つの腎臓でつくられ、腎臓のなかの腎盂という部屋に集められます。そして、尿管という細い管を下って膀胱に溜まり尿道から体の外に出されます。この尿が排出される通路を尿路といいます。尿路感染症とは、尿路に細菌が侵入し、増殖して炎症を起こしたものを指し、細菌が繁殖する場所によって膀胱炎や腎盂腎炎と呼ばれます。
免疫が落ちていたり、おしっこがうまく出せなかったり、おしっこを我慢し過ぎた場合、細菌が繁殖してしまいます。治療は通常5〜7日程度の抗菌薬の内服でおこないます。また、短期間で何度も尿路感染症を繰り返す場合には、尿路に結石やがんがある場合もありますので注意が必要です。
昇る